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2006/11/07 Tueflickr

自殺予告手紙に関して

自殺予告手紙:「生きていくのがつらい」……手紙全文−今日の話題:MSN毎日インタラクティブ
 6日午前中に伊吹文明文部科学相あてに届いた封書には、「文部科学省 伊吹文明大臣様」とあて先が書かれ、その横に「(重要文書在中)至急大臣にわたすこと」と注意書きが添えられていた。封書には文科相、教育委員会、校長、担任、同級生、同級生の保護者、両親にあてた計7通が同封されていた。ただ、個人名や学校名などは書かれていなかった。

ということで、これについてちょっと考えてみる。

ガチか、ネタか

 これだけの情報では分からないし、愉快犯とも言い切れないので、ガチであると判断するしかないでしょうね。

公開した事による影響

 消印は「豊」という1文字だけしか見えず、文科省は「豊」を含む集配郵便局のある21都道府県39市区町村教委に連絡し、いじめの相談・報告があるか確認している。
いじめ自殺問題:「いじめで11日自殺」文科相に予告手紙 21都道府県に調査指示−話題:MSN毎日インタラクティブ

 とのことなので、11日になる前に予防措置がとれる可能性もある。何らかの方法で差出人を特定して、改心させるとか。

 また、ニュースを見た人がネタで「やっぱやめます」とか、「僕も自殺します」とか文部科学省宛に送る可能性もある。

 それ以上に問題なのは、この手紙が公開されたことで、感化された自殺者が出る可能性ではないかと。この手紙自体も、昨今のいじめによる自殺についての議論に感化されてのものだろうし。私は、マスメディアがこういう方法で「自殺」という選択肢をやたらちらつかせるのも結構問題なんじゃないかと思うわけですが。
さらに、いじめ報道というのは非常に危険をはらんでいます。誰かを悪者に仕立てあげることによって、まるで自殺という行為が正義のように見えてしまうからです。自殺が美化され、自殺志願者の気持ちを助長しかねないのです。日本人はとくに帰属意識が強いため、いじめられている人がニュースを見て、「僕もこういう人と同じだ」という感情が芽生え、同じ道を辿ろうとしてしまうのです。ましてや、自分の居場所がないと感じる人たちは、画面に流れる自殺者になんの抵抗もなく吸い寄せられてしまうでしょう。だからこそ、こういった報道は常に慎重にやらなければだめなのです。報道することが必ずしも良い結果を生むとは限らない、むしろ自殺者を助長するケースだってある、ということを理解したうえで放送するべきで、僕が見る限りでは、そういった類のものがとても少ない気がします。
ふかわりょう Blog: 第244回「命の重さ」

 まさにこれですね。

 自殺するとかしないとか軽々しく書くのは不謹慎ではありますが、想定されうるケースを考えてみると、以下のようになるかと

1.手紙はガチ。差出人は特定され、改心し、当日は何も起きない。
2.手紙はガチ。差出人は特定され、改心するが、当日に感化された本人ではない人が自殺してしまう。
3.手紙はガチ。差出人は特定されないが、改心し、当日は何も起きない。
4.手紙はガチ。差出人は特定されず、当日に本人が自殺してしまう。
5.手紙はガチ。差出人は特定されず、当日に感化された人が自殺してしまう。
6.手紙はガチ。差出人は特定されず、本人を含め複数名が自殺してしまう。
7.手紙はネタ。差出人は特定され、御用。当日は何も起きない。
8.手紙はネタ。差出人は特定されるが、当日に感化された人が自殺してしまう。
9.手紙はネタ。差出人は特定されず、当日は何も起きない。
10.手紙はネタ。差出人は特定されず、当日に感化された人が自殺してしまう。

 1(あるいは7,9)が最も望ましいのは言うまでもありませんが、この件が報道されたことにより、いじめに悩む子供達に「いじめられたら自殺」という考えを強めさせることになりそうで心配です。

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